妖怪司書の本棚

架蔵の妖怪本の書影・書誌・目次をひたすら誌す。

『鬼がつくった国・日本』

f:id:Yokai_Librarian:20210506120818j:plain

『鬼がつくった国・日本:歴史を動かしてきた「闇」の力とは(光文社文庫)』

著者:小松和彦, 内藤正敏

出版地:東京

出版者:光文社

出版年:1991.11

大きさ容量等:234p ; 15cm

目次

口絵 鬼とは何か

 鬼が守る王都の空間

 鬼とされた人びと

 鬼を操る人びと

 時代の裂けめに鬼が出る

 鬼は変質する

プロローグ—なぜ、いま「鬼」を語るか …9

 「鬼」たちの歴史—「闇」の世界からは「光」の世界がよく見える

 空間への繊細さを失った現代人

 失われた「闇」の世界を求めて

 「闇」の世界の存在を教える「鬼ごっこ

 なぜ、いま伝記ロマンがブームなのか

 鬼の必要性と、鬼をつくりだすことの邪悪性

I 魔境・京都 …29

 国家は「垣根」からはじまった

 敵対する者が「鬼」になる

 なぜ、奈良の大仏はキンキラキンなのか

 「異」をもって「異」を制する

 怨霊が桓武天皇平安京をつくらせた

 マンダラ的空間都市・京都

 謎が謎を呼ぶ、魔界空間・京都

 権力を支える「内側の鬼」と「外側の鬼」

 「鬼」をコントロールしていたのは誰か

 山口昌男栗本慎一郎的な知性の持ち主が、京都のコスモロジーをつくりだした

II もう一つの「日本」・奥州 …73

 日本のなかのもう一つの日本

 「まつろわぬ者」のシンボル・役小角

 義経の逃亡を助けた修験道のネットワーク

 「東北」の怨霊を語りつぐ「田村三代記」

 連綿と続く東北独立国家への試み

III 鬼を操り、鬼となった人びと …103

 陰陽師—政治まで左右した「呪い」の請負人

 「蠱毒」—魂魄を操る呪法が権力者を恐怖させた

 平安貴族を怯えさせた菅原道真の呪い

 天皇や貴族の栄枯盛衰を予測した陰陽師

 鬼を操る陰陽師のシンボル・安倍晴明

 「鬼の王国」の住人・唱門師とは

IV 鬼の王国の放浪者 …139

 「芸」と「職」の神髄は、鬼神との交感にあった

 中世の「鬼」のネットワークを狙っていた人びと

 天皇家がおさえていたネットワークとは

 「河童起源譚」と「異類婚姻譚

 天皇制の謎—「土地の主」としての天皇の役割

 「鬼」の元締め・勧進聖の巨大ネットワーク

 日本の津々浦々をおさえた水軍のネットワーク

 技術者集団・水軍の栄光と悲劇—「海」を制する者が「日本」を制す

V 鬼の王国の破壊者は誰か …181

 一向一揆は「鬼」たちの最後の正規戦だった

 秀吉は商人に踊らされていた

 死んでからも戦った秀吉と家康

 徳川家康の陰謀

 日本に二十王権をつくりだした「東海道五十三次

 江戸末期の「鬼」の復活

 天皇が表に出たことの悲劇

 現代に「鬼」を生かすには…

あとがき …220

解説—鬼のネタ本 夢枕獏 …227

著作目録 …233

 

*底本:『鬼がつくった国・日本 : 歴史を動かしてきた「闇」の力とは (カッパ・サイエンス)』(光文社, 1985.10)