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『神なき時代の民俗学』

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『神なき時代の民俗学

著者:小松和彦

出版地:東京

出版者:せりか書房

出版年:2002.7

大きさ容量等:253p ; 20cm

目次

I 神なき時代の民俗学
神なき時代の祝祭空間 …7
  ハレとケのある常民文化
  祭りの変容
  常設ハレ空間としての盛り場
  「祭り」としての博覧会
  ハレとケの溶解―新常民文化の登場
  閉塞した時代の「異界」探し
  町づくり・村おこしと「ふるさと」という商品
  新しい祭りの創造と伝統的祭りの変容
  現代社会におけるハレとケ
「民俗」はどこにあるのか …38
  文化(社会)人類学を学ぶ
  「民俗」(常民文化)の発見
  柳田民俗学の危機
  「民俗」社会と「民俗」学
  「民俗」概念の変容
  「民俗」は民俗学者の頭のなかにある
新しい「民俗」を求めて …72
  はじめに
  「民俗」とは何か―主観的産物か、客観的存在か
  「民俗」の固定化・外在化
  民俗学の目的は何か―実態に見合う目的の設定
  民俗学の古典化―衰退する民俗学
  民俗学は神を解明する学問である
  おわりに
「たましい」という名の記憶装置 …110
  1 慰霊という現代の「民俗」をめぐって
   「後ろめたさ」と「慰霊」
   「たましい」の記憶装置と忘却装置
   「神」の記憶装置としてのいざなぎ流祭儀
  2 人物神社から人物記念館へ
   墓と墓誌
   人物を顕彰する記念館
   顕彰型の人物神社
   西郷南洲の祠堂と神社と顕彰館
   東郷平八郎山本五十六
祭祀のメカニズム―「呪い祟り」から「祝い祀り」へ …129
  1 霊魂の発生とその基本的役割
   「霊」の世界
   さまざまな死後観
   さまざまな霊
  2 「霊」の発現
   好ましい「霊」
   災悪をもたらす「霊」
   「祀り」のメカニズム
  3 「呪い」のメカニズム
   「呪い」信仰の三局面
   「呪い」の機能と方法
  4 「祟り」と「祝い祀り」の構造
   古代の祟りと祝い祀り
   現代の祟りと祝い祀り
  5 祝い祀りの深層
   「祟り」信仰と「慰霊」
   遺骨収集の光景
   異文化の目に映る「慰霊」
   遺骨収集の起源   
誰が「たましい」を管理できるのか―人を神に祀る習俗再考 …151
  靖国神社以前へ
  人を神に祀る習俗
  「祟り神」から「顕彰神」へ
  多様な人神祭祀
  忠魂社の発生と靖国神社前史
  誰が「たましい」を管理できるのか

II 民俗学の視覚
「民俗調査」という旅 …183
  旅の二類型
  民俗学的な旅
  民俗調査の二類型
  私の民俗調査体験
  問題意識に左右される民俗調査
説話と宗教儀礼 …203
  はじめに
  儀礼のなかの説話
  説話のなかの儀礼
  説話と儀礼の相関関係
  まとめに代えて
魔除け論除雪―屋根の上の魔除けを中心に …227
  「招福除災」の観念
  「魔除け」の方法
  「魔除け」の場所・時期・種類
  「魔除け」の瓦
  屋根の周辺の魔除け
桜と民俗学 …241

あとがき …250