妖怪司書の本棚

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『鬼と日本人』

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『鬼と日本人(角川ソフィア文庫)』

著者:小松和彦

出版地:東京

出版者:KADOKAWA

出版年:2018.7

大きさ容量等:269p ; 15cm

目次

鬼とはなにか …5

なによりもまず怖ろしいものの象徴 日本の妖怪変化史の太い地下水脈 鬼の子孫を名乗る人々 鬼の子孫が残した伝承 鬼はなお生き続けている

鬼の時代—衰退から復権へ …14

百鬼夜行」の図像化をめぐって …18

はじめに 説話に描かれた〈さまざまな怖ろしげなるものたち〉 現代人が抱く鬼のイメージを離れて考える 「百鬼夜行」の絵像を探る 「百鬼夜行」の絵画表現 『大江山絵詞』のなかの「さまざまな鬼たち」 「百鬼夜行絵巻」の誕生をめぐって

「虎の巻」のアルケオロジー—鬼の兵法書を求めて …47

鬼とは何か 牛若丸と「虎の巻」をめぐって 鬼たちのネットワーク 「虎の巻」相伝の次第 

打出の小槌と異界—お金と欲のフォークロア …62

欲張り長者の行末 異界からの贈り物としての「犬」 「長者」の現像

茨木童子渡辺綱 …74

酒呑童子の首—日本中世王権説話にみる「外部」の象徴化 …79

王権説話としての「珠取り」説話 中世王権説話としての酒呑童子説話 王土への鬼の出現 王土の周縁に至る 人間の世界と鬼の世界の境界に至る 老女の話す鬼王の様子 酒呑童子が語る身の上話 酒呑童子の最期 酒呑童子の首 宇治の宝蔵、あるいは「内部」の「中心」 王権説話としての酒呑童子説話

鬼を打つ—節分の鬼をめぐって …127

「年かえ」の晩 鬼と福の神と祖霊 「鬼の子小綱」と鬼追い

雨風吹きしほり、雷鳴りはためき……—妖怪出現の音 …140

民俗のなかの妖怪 『稲生物怪録』にみる怪音 雷雨と妖怪 鬼の芸能—「乱声」と「つけ」

鬼の太鼓—雷神・龍神・翁のイメージから探る …152

昔話のなかの雷神のイメージ 中世説話のなかの雷神のイメージ 雷神と雨乞い 鼓・笛の起源 雨乞面の翁・猿楽の翁・大黒舞

蓑着て笠着て来る者は……—もう一つの「まれびと」論に向けて …167

「まれびと」としての鬼 鬼を忌避する 鬼に扮する 鬼を打つ 「ナマハゲ」の鬼—その二面性 もう一つの「まれびと」論に向けて

鬼と人間の間に生まれた子どもたち—「片側人間」としての「鬼の子」 …205

「片側人間」とは何か 「異類婚姻譚」と「鬼の子小綱」の昔話 「異類聟・嫁入り」型の昔話群 「蛇」に対する両義的な態度 「片側人間」の二つのイメージ 「鬼の子」=鬼と人間のちょうど真ん中 日本文化の内奥に潜む“複雑な差異体系”

神から授かった子どもたち—「片側人間」としての「宝子・福子」 …238

再び「片側人間」を求めて 「異類聟・婿入り型」の昔話群 「異類女房」系統の昔話群 日本には存在しない「異類婚姻譚」 「片側人間」と神から授かった子ども

あとがき …265