妖怪司書の本棚

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『神隠しと日本人』

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神隠しと日本人(角川ソフィア文庫)』

著者:小松和彦

出版地:東京

出版者:角川書店

出版年:2002.7

大きさ容量等:238p ; 15cm

目次

文庫版まえがき …7

プロローグ …11

不思議な出来事/異界の消失/神隠し願望/文学作品のなかの「神隠し」/異界に遊ぶ

第一章 事件としての神隠し …27

村の失踪事件/帰ってきた失踪者/家出・自殺・神隠し/束の間の失踪/神隠し幻想/狐に化かされる/体験者の証言/「神」に選び出された者/「神隠し」へのアプローチ

第二章 神隠しにみる約束事 …55

神隠し譚の類型/夕暮れどき/隠れ遊び=隠れん坊/隠れ遊びの約束ごと/神と人が融け合うとき/鉦・太鼓による捜索の作法/音による異界との交信/神隠し事件の四つのタイプ/やさしい社会のコスモロジー/失踪者の異界報告/天狗と異界イメージ/人間界と異界の媒介者としての少年/行方不明の娘たち/神隠しの理想型と諦めの儀式

第三章 さまざまな隠し神伝説 …117

民俗社会の異界イメージ/隠し神としての天狗イメージ/天狗信仰の歴史/妖怪から怨霊へ/江戸時代の天狗隠し/狐隠し/幻想の人間社会/狐はなぜ人をだましたがるのか/鬼のイメージ/鬼と天狗/酒呑童子伝説/対抗世界としての鬼の王国/山姥から口裂け女へ/「脂取り」と纐纈城

第四章 神隠しとしての異界訪問 …167

浄土=ユートピアとしての異界/夢と異界訪問譚/異界体験談から昔話への変換/異界の時間・人間界の時間/人間と神との交換/「いばら姫」と「浦島太郎」の時間比較/超時間装置「四方四季の庭」/社会復帰する「竜宮童子」/異界イメージの多義性

第五章 神隠しとは何か …199

現代の失踪事件/「神隠し」のヴェールを剥ぐ/人さらいと大袋/人身売買のネットワーク/児肝取り伝承「阿弥陀の胸割」/神隠しの現実隠し/夢が異界へいざなう/神隠しなき時代/社会的な死と再生の物語

解説 驚嘆すべき解答 高橋克彦 …231

参考文献 …235

 

*『神隠し—異界からのいざない』(弘文堂, 1991.3)を改題の上、加筆・訂正。