妖怪司書の本棚

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『異界巡礼』

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『異界巡礼』

著者:小松和彦

出版地:東京

出版者:青玄社

出版年:1992.6

大きさ容量等:259p ; 20cm

目次

I 異類異形の宇宙
狐の如意宝珠 …9
  1 ダキニ天信仰との結合
  2 狐が人間に化ける状況と方法
  3 昔話にみる狐の化け方の二系統
  4 中国からの影響
  5 呪物は何を象徴しているのか
  6 日本人のコスモロジーの歴史
蓮如絵伝のなかの異人たち …33
  「異人」とはどんな存在か
  「嫁威し」の背景
  山の民・川の民への賤視
  救済された非農業民
王権説話としての鬼退治譚 …46 

怨霊調伏の空間 …56
  耳から現われた蛇
  二人の女官
  物の怪と憑坐
  怨霊のメタファー
  文化の約束事
家の盛衰をめぐるフォークロア …68
  民話の構想力の源泉
  家の盛衰と神霊の来訪
  民俗的思考方法の解明に向けて
異界創出装置としての「かぶりもの」 …82
  儀礼的な囲い
  内部空間の本質
  簑笠の象徴的意味
  中世都市と“かぶりもの”

II 夢と他界
聖所での夢 …95
  夢託を求めてウケイ寝
  夢合せと夢違え
  「籠り」と「詣で」
  夢信仰の衰退
女の霊力 …104
  道鏡と託宣事件
  巫女の文化
  ヒメ・ヒコ制の解体と閉め出し
  民衆のなかの巫女
卜占と陰陽道密教 …113
  「方違え」「鬼門」の思想
  呪術化—式盤から式神
  密教僧の調伏儀礼
神仙思想にみる時間の観念 …122
  1 仙界に流れる時間
  2 龍宮の不思議な座敷
  3 乗っ取られた仙界
  4 妖狐を愛した日々

洞窟のフォークロア …135
  日本人の洞窟利用史とフォークロア
  死の国、神の国への通路としての洞窟
  甲賀三郎伝説—洞窟の中の龍宮城
  富士の人穴伝説にみる地獄のイメージ
他界観の変遷 …146
  神霊や妖怪の棲み家
  極楽浄土と地獄
  怨霊=祟り神の信仰
  現代の他界観
人はいかに神になりしや… …155
  誰が神になるのか
  日本の神の両義性
  和魂の人神と荒魂の人神
  自ら神になる権力者たち
現代霊界考 …170
  なぜ「光の国」なのか
  他界観・死生観の変遷
  平安貴族社会と現代との類似
  金満ニッポンの霊界
  いまこそ必要な地獄思想

III 民俗のランドスケープ
「はな」のフォークロア …185
天人女房説話を生んだ人びと …193
妖怪の原像 …199
  闇への郷愁
  妖怪の作り方
  鬼・天狗・狐
  妖怪の年齢
目の妖怪・目の魔力 …213
  情報発信力をもつ目
  神事としての凧上げ
土蜘蛛退治伝説について …220
神隠しと隠れ遊び …226
  タブーに包まれた夕暮れ時
  隠れんぼの危険性
  「隠し神」が消えた時代
祓い清めの儀礼 …233
芸能の神秘性 …239
満干の珠 …243
天井裏に棲む「もの」 …246
呪い人形鎮魂 …250
あとがき
初出一覧