『京都魔界案内』
『京都魔界案内：出かけよう、「発見の旅」へ（知恵の森文庫）』
著者：小松和彦 著
出版地：東京
出版者：光文社
出版年：2002.2
大きさ容量等：264p ; 16cm
目次
まえがき …3
京都全域図 …10
一章 洛中 雅の都に「闇」が潜む …21
朱雀門跡 …23
絶世の美女は骨の寄せ集めだった 稀代の名器は、鬼からの贈り物
鵺大明神社 …28
人びとの想像力が、闇に蠢く怪鳥・鵺を生み出した
神泉苑 …31
矢田寺 …34
地獄の業火を見たければ、どうぞ
晴明神社 …37
安倍晴明ブームは、この地に始まる 奇跡のもとは童子にあった 式神が空を飛び、そして人が死ぬ 戻橋—橋はあの世とこの世を結び、そこに魔物が潜む 晴明が駆使した最強の再生呪術・反魂の法とは
福大明神社 …50
目的のためには手段を選ばない邪術・ダキニ天法とは
白峯神社 …53
鞠精大明神 …56
ここに日参すれば、Ｊリーガーになれる！？
北野天満宮 …59
学問の神は、もともと祟り神だった 人が神に祀り上げられるきっかけは、どこにもある
相国寺 …64
日本人が狐に託した愛蔵半ばするイメージ
蜘蛛塚 …67
源頼光が退治した巨大蜘蛛とは何だったのか
上御霊神社 …70
「不安」だから「平安」と名づけれらた
五条 …73
陰陽師が生み出した牛若丸・弁慶伝承 「一寸法師」が祀られる「天使の社」 良縁を求めたければ道祖神に
河原院跡 …79
光源氏の夢の跡をたどる
羅城門跡 …82
日本人の心に残る「恐ろしい場所」
二章 洛北 鬼と天狗が棲む異界・「暗魔」
貴船神社 …87
そこは、洛中洛外屈指の魔界だった 縁結びの神は縁切りの神 暗夜に浮かび上がる人間の怨念
鞍馬 …95
竹伐り会は、大蛇退治の伝承に始まる いったん死に、再生する、竹伐り会のもう一つの顔 鞍馬の奥には天狗が棲んでいる 天狗道の総本山・僧正が谷 僧正が谷の奥に息づく鬼の国伝説 義経さえ欲しがったアンチョコとは スケープゴートになった「小さき神々」
八瀨 …112
先祖が「鬼」であることを誇る人びと 高僧のガードマン・護法童子 八瀨に伝わる酒呑童子伝説
摂取院 119
大原—恋に破れた女が龍蛇と化す
岩屋山 …122
空海が修行した歌舞伎『鳴神』の舞台
惟喬神社 …125
敗者・隠者が崇めた惟喬親王
深泥池 …129
「すむ水鳥のあるぞ怪しき」恐ろしい場所 節分の始まりを伝える「豆塚」は「摩滅塚」でもあった
赤山禅院 …134
これは強い。閻魔王転じて祭神となる 天皇の「身代わり」として猿を祀る
三章 洛東 呪い渦巻く冥府・魔道との境界 …141
六道珍皇寺 …143
門前には、地獄の入り口がある
八坂神社 …146
「祇園」さんには、恐ろしい疫病神が祀られている 華やかな歴史絵巻・祇園祭には、民衆の悲しみが込められている
八坂の塔 …153
日本歴史上屈指の呪術師・浄蔵
三年坂 …156
ふと見上げると、そこには鵺が埋葬されていた
知恩院 …159
七不思議、大好き！
将軍塚 …162
天皇家が危機を迎えたとき、大地は鳴動する
清水寺 …165
観音様を脅せば、呪いが叶う
鳥辺山 …168
母の無辺の愛を知る幽霊飴伝説
三十三間堂 …171
頭痛持ち・後白河法皇とドクロ伝承
耳塚 …174
そこには、耳も鼻も、そして首も埋まっている
四章 洛外 奇跡を実現させる仏教以前の神々 …177
愛宕山 …179
「不滅の火」があれば、一日が千日に匹敵する 天狗の像に釘を打ち、呪殺する 比叡山延暦寺に戦いを挑んだ天狗たち 宇宙山—天と地は愛宕山で結ばれている
清滝川 …191
やれあやかりたや「飛鉢法」
大酒神社 …194
グロテスクな「摩多羅神」を祀る「牛祭」
帷子の辻 …198
愛するゆえに野に捨てられた皇后の遺骸が…
老ノ坂峠 …201
子安地蔵に込められた安産祈願 首塚大明神—地蔵が立つ場所には、歴史的ないみがある
光福寺 …207
護法童子—こんな召使いがいたら…
伏見稲荷 …210
競争社会では、稲荷信仰が頼りになる 神権の交代を物語る龍頭太伝説 「お稲荷さん」には「お狐さん」が欠かせない 今なお生き続ける「狐使い」
五章 宇治・大津 妖怪たちが跋扈する京都文化圏の外縁 …221
橋姫神社 …223
橋姫神社には、女の哀しみが込められている
阿弥陀像の前に座せば、極楽浄土が見える 宇治の宝蔵には、天皇家の光と闇が詰め込まれている
蝉丸神社 …231
天皇家と放浪芸能者とのつながり
瀬田唐橋 …234
「近江八景」の地に、兵どもの夢の跡をたどる
比叡山 …237
延暦寺の深い闇に生きる元三大師 呪術師たちの揺籃の地・横川 日吉大社—鉄鼠は現代のネズミ男か 比叡山には、今なお魔物が棲んでいる
［解説］学問という縦軸、娯楽という横軸。 京極夏彦 …251
