『怪異とは誰か』
『怪異とは誰か(怪異の時空 3)』
著者:一柳廣孝 監修, 茂木謙之介 編著
出版地:東京
出版者:青弓社
出版年:2016.12
大きさ容量等:254p ; 19cm
目怪
はじめに 一柳廣孝 …11
第1章 実話怪談にとって「怪異」とは誰か:黒木あるじインタビュー 茂木謙之介, 一柳廣孝 聞き手 …15
「彼ら」を描く
怪異を語る/怪異を聞く
怪異の「現場」
「作者」とは何か
土地の記憶と怪異
実話怪談の現在
第1部 怪異の機能
第2章 表現システムとしての〈怪異〉とノスタルジア—一九二〇年代の文学的想像力と「他者」の変容 副田賢二 …44
1 震災と「〈死角〉空間」と〈怪異〉 …45
2 表象の場としての「渚」の「女」たち …49
3 漏出する「匂」と「懐郷病」—〈怪異〉空間としての『玄鶴山房』 …56
4 ノスタルジアとしての〈怪異〉と他者性のゆくえ …61
第3章 皇の奇跡—戦間期地域社会における〈瑞祥〉言説をめぐって 茂木謙之介 …69
1 植民地における〈瑞祥〉言説 …71
2 内地での〈瑞祥〉言説と天皇(制)をめぐる状況 …77
第4章 弱者のために怨む—川村孤松『廻国行脚怪談百物語妖怪研究』について 谷口基 …91
1 反近代の世界観と人間理解 …91
2 崩れゆく「百物語」/消失する語り手 …96
3 弱者のために怨む …98
4 川村孤松とは何者か …102
第2部 〈外部〉のまなざし
第5章 芥川龍之介の文学と「世紀末的な不安」—地震・帝国・怪異 小谷瑛輔 …110
1 芥川の時代の「世紀末的な不安」 …110
3 挑戦表象と関東大震災 …116
4 晩年の志賀直哉オマージュと怪異 …121
第6章 占領地に現れた“幽霊たち”—縮図としての火野葦平「怪談宋公館」 構大樹 …130
1 幽霊騒動の発生 …133
2 リアリティーの所在 …136
3 占領地の縮図 …140
第7章 わたしたちのドラキュラ—横溝正史の『髑髏検校』と帝国主義 中川千帆 …149
1 『ドラキュラ』批評と江戸の危機 …151
2 西と東の出合いと文明vs非文明、科学vs魔術 …153
3 男たちと帝国 …155
4 演劇、歌舞伎とヴァンパイア …159
第3部 〈亡霊〉たちの現在
第8章 三島由紀夫とオカルト言説—「二・二六」表象をめぐって 松下浩幸 …170
1 〈予言者〉としての三島由紀夫 …171
2 三島由紀夫をめぐる「神話作用」 …177
3 同時代のなかの二・二六事件 …181
第9章 〈喪主〉としての語り—村上春樹「七番目の男」から 岡田庸介 …191
1 「怪談」と後日談 …193
2 怪談会で語ること …197
3 鎮魂する「怪談」 …201
第10章 ナラティブの亡霊、あるいは川上弘美「花野」の亡霊論(hantologie) 高木信 …208
1 構成と特徴と …211
2 秩序と未練と …216
3 無関心と決断と …219
4 そら豆と神と …223
5 語りと亡霊と …225
第11章 女が語る〈産〉と怪異—三枝和子『曼珠沙華燃ゆ』における亡霊たちのフォークロア 倉田容子 …232
1 「ねこざんまい」—「女性原理」の幻影 …234
2 人口政策の近代史—「父権」の法 …237
3 怪異化される〈産む性〉 …241
4 雲ケ畑・式内厳嶋神島神社—再び「ねこざんまい」へ …243
おわりに 茂木謙之介 …249