妖怪司書の本棚

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『日本の呪い』

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『日本の呪い:「闇の心性」が生み出す文化とは(光文社文庫)』

著者:小松和彦

出版地:東京

出版者:光文社

出版年:1995.8

大きさ容量等:261p ; 16cm

目次

文庫版まえがき …3

まえがき …7

プロローグ—なぜ、いま「呪い」なのか …17

 「呪い」との出会い

 現代に生きる「呪い心」

 誰かがあなたを呪っている

1 蘇る「呪い」の世界 …29

「呪いの旅」のはじまり 医者でも治せない病気とは 自分の意のままにならない「生霊」が、他人に災いを及ぼす 犬神は、富も災いももたらす 犬神憑きとの出会い 犬神対祈禱師の戦い 「呪い」のスペシャリストが、「呪い」をでっち上げる 呪詛信仰・いざなぎ流 「返りの風を吹かして」人を呪う 悪魔・外法を切り刻む どうしたら人を呪い殺せるか 「祭文」が教える「いざなぎ流」の起源 いざなぎ流祈禱師は、「外法使い」か ある呪いの物語 呪詛の起源と報酬のシステム なぜ、現代人は水子の祟りを気にするのか 呪いの世界へのタイムマシン

2 なぜ、人は「呪い」を恐れるのか …79

「おまえを呪ってやる!」 「呪い」が支配する世界とは 禁止するから、ますます呪うことになる 呪われた奈良王朝 近い関係にあるからこそ、「呪い」が生まれる 「呪い心」に説明を与えるのは誰か 日本歴史を転換させた「死者の呪い」 なぜ、死者を恐れるのか 御霊—人間の恐怖心が「創造」した神神 触らぬ神に祟リなし 人を鬼と変える「呪い心」 恐怖すべきは人の心 「みんなで呪えば恐くない」!? 「正義の呪い」とは 文明開化は呪い鎮めとともに 動乱期に跋扈する怨霊 社会を批判する死者の呪い なぜ、人は「呪い」を恐れるのか 誰もが呪い、呪われる

3 どのように呪うのか …129

言霊信仰—言葉を発すれば、それが「呪い」となる 呪禁道—呪的バリアで身囲い・身固めする 蠱毒—動物の魂魄を操り、人を死に至らしめる 厭魅—人形を責め、人を死に至らしめる 呪術は技術なり—支配者を魅了するニュー・テクノロジー 吉備真備の陰謀 陰陽道—「式神」を操り、人を呪殺する 密教の中核にある呪い信仰=調伏法 密教調伏法—不動明王を操り、呪殺する 「呪い」のスペシャリスト・空海 神仏を責めたて、呪力をパワーアップさせる 「逆さま」の呪法 いまなお生き続ける密教調伏法 狐を操る「外法」とは 天皇即位の「秘法中の秘法」とは 「荼吉尼天法」て鎌倉幕府を呪詛調伏した後醍醐天皇 武田信玄上杉謙信が用いた「飯綱の法」とは 敬愛法—男女和合のラブ・マジック 神仏に無理やり「呪い」を引き受けさせる法 神仏に釘を打ち込むだけで「呪い」が発動する 「丑の時参り」の作法・その壱 「丑の時参り」の作法・その弐 「丑の時参り」の作法・その参

4 「呪い」祓うシステムとは …193

なぜ、「水戸黄門」のラスト・シーンはいつも「晴れ」ているのか 「呪い」が「ケガレ」を発生させる 「ケガレ」は「外部」からやってくる 「ケガレ」を祀り上げ、棚上げにする 「桃尻」風、清少納言の祓いの儀礼 呪術師が操る「ケガレ」を視覚化するトリック 祭りがみんなを「晴れ晴れ」させる理由 国家にたまる「ケガレ」が、天皇に凝縮される 社会的地位が上昇するほど「ケガレ」が集中する 日本人は、なにを「好ましくないケガレ」としたのか 「鬼」の登場—「見えないもの」を「見えるもの」にするトリック 誰が「鬼」を演じ、「ケガレ」として祓い捨てられたのか 「ケガレ」祓いの儀礼としてのINF条約 「右手に剣を、左手に数珠を」 権力は、呪術によって支えられている 「ケガレ」を祓う「ガス抜き」の儀礼 「スケープゴート」を生み出す「フェイルセーフ」機構 神仏までもが「スケープゴート」にされる 次に「御祓い箱」にされるのは誰か

エピローグ—「人を呪わば穴ふたつ」 …246

解説 阿部謹也 …250

参考文献 …256

 

*底本:『日本の呪い:「闇の心性」が生み出す文化とは (カッパ・サイエンス)』(光文社, 1988.2)